超能力の裁判が行われ、しかも認められたという話も伝わっています。それが長南年恵の物語り。長南は「ちょうなん」とも「おさなみ」とも呼ばれています。
現在の山形県の鶴岡市に1863年に生まれた年恵は、30歳を前に超能力を出現。以降、稀代の大霊媒師となり、飲食は一切しないで、不飲不食を貫きました。
数多くの奇跡を見せることで、女生神(おんないきがみ)とも呼ばれています。この年恵は、何もないところから引き寄せるアポーツ現象を得意としていました。
なかでも空きビンを水で一杯に満たす現象がもっとも得意。この聖水と呼ばれる水を飲むと、奇跡的に難病も治癒したとされます。
ただこの力を認めたがらない者もいて、度々勾留されることもあった様子。しかし勾留中も不飲不食や、アポーツ現象などの奇跡を起こし周りを驚かせています。
明治33年、年恵は大阪の弟雄吉のもとに滞在していました。その時に起きたのが、いわゆる「御霊水裁判」。当初は警察の不当な勾留から始まりました。これを不服とした年恵側が、裁判にて決着をつけようとしたもの。
神戸地方裁判所で裁判が行われました。その際、裁判長が次のような問いかけを年恵にしました。この法廷でも被告は「霊水」というものを出すことができるかと。
年恵はおやすいご用と答えて、身を隠す場所を要求。法廷はアポーツ現象を試験するという、異例ともいえる展開となりました。
もちろん年恵は事前に服を脱いで検査されているので、何一つ持っていないことを確認されています。別室の空き部屋に通されて2分後、霊水を空きビンに満たしました。
尋問は終わり、裁判は即刻無罪判決を出して決着。年恵の勝利となりました。その時の霊水は酒の味がしたといいます。
霊水、欲しいですね。
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